このお話は依頼人のご了解をいただきましたので、
内容を具体的に書かせていただきます。
去年の12月24日、その日、調査員がススキノでの調査に行っており、
私は会社で電話当番をしていた。
午後5時30分・・・ 電話が鳴る。
電話は東京に住むAさん(33歳)からであった。
急いだ口調で「7時のテレビ塔の映像を取ってきてください」と。
7時まで時間もないため私はテレビ塔へ車を走らせた。
道路は渋滞していたが、なんとか7時にはテレビ塔に到着した。
外からテレビ塔を写し、テレビ塔の展望台にのぼり、夜景も写した。
映像を添付し、Aさんにメールを送る。
20分後、Aさんから電話がきた。
Aさんは涙声で「ありがとうございます」と何度も言ってくれた。
そしてAさんにお話しをうかがったのです。
Aさんは札幌に住んでいたのだが、3年前に転勤で東京に行かれた。
当時、お付き合いをしていたB子さんとは遠距離恋愛になった。
でもイブの日は少しの時間でも一緒にいようと約束していた。
一昨年の12月24日、Aさんは土曜日ではあったが午前中は仕事。
急いで仕事を終わらせ、飛行機で千歳・・・ そして札幌へ来た。
B子さんも看護師の仕事をしており、勤務は5時まで。
二人はその日、午後7時にテレビ塔で待ち合わせをした。
テレビ塔にのぼり夜景を眺め、楽しい時間を過ごした。
そして翌日、Aさんはまた東京に戻った。
その後もAさんとB子さんは将来の結婚を約束し、交際を続けていた。
そして今年もイブの日、
テレビ塔で待ち合わせをし、デートをしようと約束していたらしい。
そして今年の8月、B子さんが急性の病で亡くなられた・・・
Aさんは思っていた。
今年も二人で約束したテレビ塔へ行こうと。
だが当日、Aさんは羽田へは行かなかった。
やっと涙が枯れ果てていたAさんだったのだが、
一昨年のB子さんとのイブの日を思い出してしまい、
涙が止まらなくなり、体が動かなかった。
そして仕事も休みを取っていたため、自宅で時間を過ごしていた。
約束の7時に近くなると、どうしてもテレビ塔に立ちたくなった。
でも、もう間に合わない・・・
それで当社へ電話をして7時のテレビ塔を写してほしいと依頼されたのだ。
メリークリスマス・・・・ どうかイブの日を二人で過ごしている恋人たちへ。
今日のこの日を忘れないで下さい。