信用調査
名古屋市で自動車関連商品の輸入販売会社代表をしているAさんからご相談を頂いた。
相談内容は取引先の入金がされないこととその会社の実状の件であった。
塚田さんの経営するAコーポレーションは
主に中国より自動車関連の商品を輸入し、販売をしているのだが、
3月に札幌にある会社から「インターネットを見た」と問い合わせがあった。
色々と電話で話をし、10万円程度の商品を代引きで送った。
翌月から売り掛けにて取引をしたいとの申し出に末締めの翌月末日支払いでAさんは了解をした。
5月に30万円の取引、6月に70万円の取引をし、期日には入金もされていた。
7月にその会社は北海道の同業社に卸しをしたいとのことで、800万円の注文があった。
数ヶ月の取引をし入金も確認できていたので、塚田さんは商品を手配して、
その会社に発送をしたのであった。
8月の末日、その会社からの入金がない。
すぐに先方の会社に電話をした。呼び出しはするのだが電話にはでない。
翌日も電話をするが電話にでない。
それから3日後、当社にご相談を頂いたのである。
探偵はAさんに詳細をお聞きした。
あまりにも無防備な内容であった。
その会社の登記簿の確認もしていない。
取引に関わる契約書も全く交わしていないのであった。
探偵はその会社の調査依頼を受けた。
早速、調査を開始する。
商品を発送したその会社の住所を訪ねた。
確かに古いマンション1階に事務所らしきものはあったが誰もいない。
法務局に行き、登記簿の確認をする。
やはり、その会社が名乗っていた会社名での届出はない。
その会社付近で張り込みを開始する。
翌日、その事務所前に一台の車が止まる。
車から男性が降りてその事務所に入る。
1時間後、宅急便の車が止まり、その事務所にダンボール7箱を運び入れる。
その後、その事務所より男性が出てきて、車に乗り走行を開始する。
探偵はその車を尾行。
あるマンション駐車場に入り、その男性はそのマンション内に入った。
そこは男性の自宅マンションであることを後日確認した。
やはりAさんは騙されていたのである。
その男性はインターネットを見たと言っては、
東京、大阪など北海道から離れている地域の会社に連絡をし、
最初は小額の取引をして支払いをきちっと行う。
数ヶ月後に多額の注文をし、未払いのまま行方をくらますのであった。
探偵は同様の被害があるのを数件確認した。
Aさんは探偵の勧めもあり、同様の被害にあった方々に連絡を取って、
共同で弁護士を使い、未払い金の請求訴訟を起こしたのである。
今回の事案でもお分かりのように、取引に関しては相手の会社の登記簿の確認、
取引に対しての契約書を交わすのは絶対に必要である。
また新規に取引をする場合には、その会社が遠方であっても、訪ねることは必要である。
インタ-ネットの普及により、様々な距離感が無くなっているように思われるが、
やはり現地に行って判ることも大切にしなければならない。
上記調査事例は類似する複数の調査を元に創作したフィクションです。