下記調査事例は様々な調査を元の創作したフィクションです。
札幌市手稲区在住のAさん(50歳)からある依頼をお受けする。
依頼の内容は非常に単純なこと。
別れて暮らしている娘に通帳と手紙を渡してほしいとの内容であった。
Aさんは15年前、互いの気持ちのすれ違いによって妻 B子さんと離婚した。
当時、10歳のC子さんはB子さんが引き取った。
Aさんは毎月、決められた養育費を送金し続けた。
そしてC子さんが14歳の時、B子さんが再婚した。
それまでは毎月、C子さんと会えていたAさんであったが、
B子さんの再婚以降はB子さんから頼まれて会うのを止めていた。
それから11年。
人づてにAさんはC子さんが結婚することを聞いた。
Aさんは離婚後、養育費を支払いながら、
C子さんの名義で通帳を作り、毎月1万円を積み立てていた。
C子さんが結婚する時に渡そうと決めたそうだ。
どんなに忙しくとも毎月26日に銀行に行き、
いつかC子さんに渡す日を思いながら、積立をしていたらしい。
探偵がその通帳を見せていただくと毎月1万円がきちっと記載されていた。
AさんはB子さんや再婚相手への配慮もあり、
B子さんにそっとその通帳を渡してほしいと探偵に依頼をしてきたのだった。
探偵は目立たぬようC子さんと接触をし、事情を話した。
そして預かった通帳とAさんからの手紙を渡した。
後日、探偵にC子さんから連絡が入る。
お父さんに会いたいとのことだった。
探偵はすぐにAさんに連絡を取り、C子さんとの再会の準備をした。
あるホテルのラウンジで待ち合わせ。
Aさんの前にC子さんが現れた。
その途端、Aさんの顔がクシャクシャになり、涙があふれていた。
Aさん、C子さんと会えてよかったですね。
そしてC子さん、結婚おめでとうございます。